GOODYEAR:空飛ぶ自動車を想定した最新のコンセプトタイヤ「AERO」を発表

グッドイヤーは、2019年のジュネーブ国際モーターショーにおいて、最新のコンセプトタイヤを発表した。
グッドイヤーの「AERO」は、未来を想像した空飛ぶ自動車用に設計されたコンセプトタイヤである。
「ツーインワンタイヤ」をコンセプトに、地上を走行するためのタイヤとしても、空を飛ぶためのプロペラとしても機能するという。

 

【「AERO」のコンセプト】

・マルチモーダルデザイン:「AERO」は、マルチモーダル*な傾くローターをコンセプトにしている。従来のタイヤの向きにおいては、路面への力の伝達や路面からの力の吸収を、また、タイヤが傾くことによって車輌が持ち上がる揚力を与えるための動力伝達装置としての役割を果たす。この車輌の実現は、未来の通勤者にとって、地上と空中のシームレスな移動に自由を与えることができる。
*従来のタイヤの地上での使用環境を超え、空中での使用環境をも考慮し多面的に設計されたという意味を表す

・エアレス構造:「AERO」のスポークは車輌の重量を支え、タイヤが傾くことによって車輌を持ち上げるための揚力を与えるファンブレードとしての機能を持つ。このユニークなエアレスタイヤは、路上走行時の衝撃を和らげるのに十分な柔軟性と、車輌に揚力を与えるためのローターの高速回転を支える強度を併せ持つエアレス構造を採用している。

・磁気推進力:「AERO」は、摩擦のない推進力を実現するために磁力を使用する。これにより、車輌が路上走行するために必要な高い回転速度を可能にし、車輪が傾けられたときに車輌を空中に持ち上げ、前方に推進する力を与える。

・オプティカルセンシング技術: 「AERO」は光ファイバーセンサーを使用し、路面状況、タイヤの磨耗、およびタイヤ自体の構造健全性をモニターする。

・人工知能(AI):「AERO」は、タイヤのセンサーから受け取る情報と、車輌間および車輌とインフラ間で伝達される情報を組み合わせるAIプロセッサーを特徴とする。このAIプロセッサーは、これら一連のデータを分析し、車輌が飛行または運転モードに切り替わることを可能にし、次のアクションへのリコメンドを行なう。また、起こり得るタイヤ関連の問題を事前に察知し、解決することも可能となる。

「AERO」は、まだ概念上のデザインではあるが、エアレス構造やインテリジェントタイヤ機能など、その特徴的な技術のいくつかは、今日までにグッドイヤーによって開発されており、その他の技術も、将来的には新しいアイデアや実現の可能性を秘めた新製品の基礎となる可能性がある。