YOKOHAMA:加硫過程におけるゴム中での気泡発生機構の解明で日本ゴム協会の優秀論文賞を受賞

横浜ゴムの技術者がゴム技術の研究に関して、一般社団法人日本ゴム協会の「第66回優秀論文賞」を受賞した。
受賞した論文は、同社の佐藤有二氏による「加硫過程におけるゴム中での気泡発生機構の解明」である。
受賞式は5月23日、京都工芸繊維大学で開催された。

これまでタイヤ加硫時に気泡が発生するメカニズムは充分明らかになっておらず、ゴム内に残留する気泡が原因の製品不良を発生させないため、製造過程で必要以上のエネルギーや時間を消費し、環境負荷の増大や生産性悪化に繋がっていた。
この研究では、スチレンブタジエンゴムおよび、ブタジエンゴムにシリカやカーボンブラックを充填剤として配合し、加硫した後にゴム内部の発泡の様子を大型放射光施設「SPring-8」を活用したX線イメージング法により観察する方法を開発した。
これにより、ゴムに存在する水分を主とする揮発成分量および架橋剤の配合量とそれらの発泡状態の関係を明らかにした。
今回、気泡の生成についてその発生機構を明らかにし、信頼性の高いゴム製品を製造する際の条件設定の一助となったことが評価された。

表彰される横浜ゴムの佐藤有二氏(左)