TOYO TIRES:アメリカタイヤ工場の生産能力増強を発表

TOYO TIREは、アメリカのタイヤ製造工場「Toyo Tire North America Manufacturing Inc.(TNA)」において、さらなる生産能力の増強に着手することを決定した。

同社は、2017年を起点とした4カ年の中期経営計画(中計’17)のもと、タイヤ事業において、北米市場での商品力強化と増販に向けた、さらなる体制強化をはじめ、市場動向に応じた商品ミックスの最適化、驚きのある商品を提供する開発力・技術力の進化、ブランド力の向上と効率的な供給体制の構築といったテーマを掲げて事業経営を推進している。
現在、北米自動車市場ではピックアップトラックや、大型SUV車両の販売が堅調であり、このような車両に装着される、意匠性の高い大口径タイヤは、同社が競争優位性を有している。
2020年以降も引き続き、これらのカテゴリのタイヤは堅調な需要拡大と、同社への供給期待が見込まれていることから、こういった市場環境を背景として、今回、昨年末に拡張した「TNA」新棟建屋のうち、空いている残り半分のスペースに生産設備の導入を実施し、さらに生産能力の増強を図ることを決定したとのこと。

■今回の追加生産増強計画について(概要)
投資内容:建設済み新工場棟*1内に残り半分の生産設備*2を追加導入
*1)生産容量:年産240万本(乗用車用タイヤ換算)
*2)生産能力:年産120万本(乗用車用タイヤ換算)
総投資額:約70億円
投資計画:2020年9月より生産設備の導入開始予定
稼働開始:2021年1月より生産稼働予定

※本増強に伴い、約120名の従業員を新規に雇用する予定。

■TNAの概要
所在地:アメリカ合衆国 ジョージア州バートゥ郡
設立年月:2004年6月 (2005年12月工場完成、同月より稼働)
事業内容:乗用車用、ライトトラック用ラジアルタイヤの製造
代表者:Donald C. Bunn
資本金:150百万米ドル
資本構成:TOYO TIRE株式会社100%出資(連結子会社)
土地面積:150エーカー(約607,000㎡)

TNAは、高度に自動化した同社独自のタイヤ製造工法「A.T.O.M.(Advanced Tire Operation Module)」を、全面導入し、ピックアップトラック/SUV用ライトトラックタイヤを中心とした大口径タイヤを生産、北米市場に供給している。
TNAは、これまで、段階的に生産能力を増強し、2016年秋には年産1150万本(乗用車用タイヤ換算)の生産能力を有する、同社グループ最大のタイヤ製造拠点となった。また、2019年1月には、累計生産本数が5000万本を突破ている。

■TNAの生産能力の増強経緯と計画
増強計画
第3期 拡張
計画完了:2011年8月 年産能力:650万本体制

第4期 拡張
計画完了:2015年11月 年産能力:900万本体制

第4期 追加能力増強
計画完了:2016年10月 年産能力:1150万本体制

第5期 拡張
計画完了:2019年11月(予定) 年産能力:1270万本体制

第5期 追加能力増強
計画完了:2021年7月(予定) 年産能力:1390万本体制

2017年9月、収益の主軸である北米市場での旺盛なタイヤ需要に対応するために、第5期生産能力増強計画として、年産240万本(乗用車用タイヤ換算)の生産能力を有する新たな工場建屋を建設し、まず、第1段階として、その半分にあたる年産120万本(乗用車用タイヤ換算)のタイヤ生産に必要な設備を導入するという方針を発表した。同社はこれを着実に進め、計画に沿って、2018年12月に新棟建屋を竣工。その後、設備導入を図りながら、2019年4月より新生産ラインの稼働を始めている。

米国タイヤ工場全景(写真左)と主力製品OPEN COUNTRY M/T(写真右)