DUNLOP:静電気を利用したタイヤ内部発電技術を関西大学と共同開発

住友ゴム工業は、関西大学・谷弘詞教授と共同で、タイヤの内側に静電気を利用した発電デバイス(エナジーハーベスト)を取り付け、回転によって電力を発生させる技術を開発した。
これは静電気の一種である摩擦帯電現象を応用したもので、タイヤの回転に伴う接地面での変形により、発電デバイスが効率良く電力を発生する。将来的に、この技術は各種デジタルツールの電源としての活用が期待される。

同社は、自動車産業を取り巻く環境が大きく変化する中、「さらに高い安全性能」、「さらに高い環境性能」を実現するためのタイヤ技術開発コンセプト「Smart Tyre Concept」を掲げており、デジタルツールを用いて得られるさまざまなデータを利用した新たなソリューションサービスの展開を目指すとしている。
今回の開発は、タイヤ内側に取り付けるTPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)などのセンサー類の電源供給として応用が期待ができ、将来的にバッテリー不要のデジタルツールを活用したサービス創出に貢献できるものとのこと。

なお、本テーマは、2018年10月に国立研究開発法人科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)シーズ育成タイプFS※に採択され、同機構の支援を受けながら開発を進めている。
※大学等の研究成果に基づく技術シーズの可能性検証および実用性検証を行ない、中核技術の構築を目指す産学共同の研究開発を支援するプログラム

接地面での変形を利用した摩擦帯電現象
タイヤ内側に取り付けた発電デバイス