JSR:エリック ジョンソン 代表取締役CEO、2021年、年頭所感

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
COVID-19は私たちの健康と経済に対して大きな脅威であり続けています。主要国の金融・財政政策により、ある程度衝撃が緩和されているとはいえ、世界中の人々の苦しみは察するに余りあるものがあります。 地政学的な面で多くの変化が見られ、気候危機の影響も加速しています。
JSRグループは、こうした不確実性の高い状況を見据え、真の意味でレジリエンスの高い組織を目指し、強固なインフラを構築する取り組みを加速させております。
足元では、今後も大きな成長が見込まれるライフサイエンス事業および半導体材料事業において、品質と信頼性を最重要視しながら、イノベーションを提供するという事業戦略のもと、必要な投資を実施しております。一方、一部の事業が依然として厳しい状況にあるため、引き続き構造改革を進めて参ります。
将来に向けては、JSRグループがテクノロジー企業であるということに大きな期待を持っております。私たちは、R&Dをベースにイノベーションを確実に商業化する能力を原動力に、マテリアルズ・インフォマティクス、バイオインフォマティクス、量子化学計算技術などの重要分野に投資を行って参りました。様々な新技術が人々の生活に影響を与え、多くのビジネスが再構築されることになりますが、JSRグループはこうした変化の最前線に立ち続けていきたいと考えております。
最後になりますが、「サステナビリティ」は企業の長期的な強さの源泉です。
気候危機や社会変動の深刻度が増し、政府レベルそして草の根レベルでも、人々の行動や興味が変化しており、こうした変化は企業が行動を起こすきっかけになっています。
JSRグループは、気候危機や社会変動、そして従来の株主価値を重視する姿勢からすべてのステークホルダーへ価値を提供するという方針転換を、脅威ではなく機会として捉え、企業の社会的価値を最大化させ、そうした価値をすべての事業活動に組み込んでいきたいと考えております。
本年も何卒、倍旧のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。