YOKOHAMA:2021年度入社式を挙行

横浜ゴムは、4月1日、東京本社で、2021年度の入社式を行った。
入社式には、本年度新入社員13名(全社18名)が参加し、同社、山石昌孝代表取締役社長は、次のように挨拶した。
「2021年度新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
就職期間中に、新型コロナウイルス感染症の拡大があり、様々大変だったと考えます。会社に来ることも、先輩達と直接会うことも、今日が初めてという方もいると思います。まず、横浜ゴムグループを代表して、皆さんを心より歓迎いたします。おめでとうございます。
さて、今日から横浜ゴムの一員としてスタートをきる皆さんに、まずは当社の現状についてお話をしたいと思います。

皆さんもご存知のとおり、新型コロナウイルスの世界的な拡大により、我々を取りまく経営環境は一変してしまいました。これまで当たり前だったことがそうではなくなり、一気に社会全体の仕組みが変わるという大きな変化を、皆さん自身も身をもって体験されたことと思います。ただし、どのような状況であっても、ビジネスに言い訳は通用しません。確かな戦略があれば、こうした変化はチャンスに変えることが出来ます。

本年2月19日に中期経営計画YX2023(Yokohama Transformation 2023)を社内外に公表しました。この中で、今後の会社の方向性と、3年間の目標を明確にしました。既存事業における強みの「深化」と、市場ニーズの変化に応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、社員一人ひとりが「変革」をすることで、次の100年に向けた成長につなげていきたいと考えています。

私は、この中期経営計画は、社員一人ひとりが意識を変え、仕事の仕方を変えてはじめて達成できると考えています。皆さんは、まず、研修・実習を通して仕事の基本を覚えていただき、当社の一員として力を発揮してもらえればと思います。

次に、毎年私が新入社員の皆さんにお話していることですが、仕事をする上で重要と考える2つのことをお話させていただきたいと思います。

一つ目は「安全とコンプライアンス」です。
これは会社にとって最優先事項であるため、入社式のこの場でお話をしています。
まず「安全」です。社員の安全は最も重要な基本であり、設備や仕組みもその考えで設計されていますが、社員一人ひとりの取組みも非常に重要です。安全の基本は、リスクへの感度をあげることなので、研修中、小さなことでも危険を感じたら、迷わず動きを止め、その情報を研修の担当に報告することを心がけてください。

次に「コンプライアンス」です。皆さんも、不用意なSNS投稿などによるコンプライアンス違反を、ニュースなどで目にしたことがあるかと思います。我々は100年の歴史がございますが、長い年月をかけて築いた信頼が、そのちょっとしたミスによって失われ、企業の存続に影響する可能性もあります。一度失った信頼を回復させることは、容易なことではありません。皆さんも、今この瞬間から、横浜ゴムの社員としての誇りと自覚をもって、それにふさわしい、責任ある行動をお願いします。

二つ目は、「仕事に対する心構え」です。
当社には、2016年に関連会社となったATG(アライアンスタイヤグループ)がありますが、この会社はどんなに難しい状況下でも成長を続けています。例えば、昨年末ATGに横浜ゴムインド工場のマネジメントを任せました。昨年のインドは、新型コロナウイルスでは大変な状況でした。シャットダウンが2か月続き、1か月間はタイヤを1本も販売できる状況ではありませんでした。12か月分の1、1か月間はゼロです。それでも彼らは2019年比に対して大きく伸ばしました。いつも感心するのは、その、彼らの合理的で、柔軟で、そして諦めない姿勢です。合理的とは、真の目的と本質を見失わず、最も効率的に目標を達成するよう考え、行動すること。柔軟とは、状況変化があっても、それに応じてやり方を変え、時には常識にとらわれない柔軟な行動を取ることです。諦めない、とは、環境や人のせいにせず、最後の最後まで粘り強く、自分に与えられた使命を達成することです。

日々の学び、経験がこうした力の基本となります。仕事の学びは学校の学びとは大きく違います。ビジネスはやはり結果を出して、収益を出していくことが目的ですので、自主的にアウトプットを出せるよう、自分で勉強をして、アウトプットに繋げるよう頑張ってください。とにかく、目的を持って積極的に自分の中で色々なものを吸収して、そしてアウトプットを高めてもらいたいと思います。
ここまでお話したように、当社はYX2023を軸に、力を結集して課題に取り組んで参ります。人事制度も変え、年齢に関わらず、とらわれず、仕事に対する能力・アウトプットで配置をしていくことにしました。皆さんも、そうした中で頑張っていただいて、 横浜ゴムの一員となっていただきたいと思います。

まずは、これからはじまる新人研修に、全力で取り組んで下さい。よく考え、課題に真摯に取り組み、最後まで諦めない、そういう人になっていただくことを、当社の代表として期待しています」