住友ゴム工業:タイヤの性能持続技術開発を加速させるAI技術「Tyre Leap AI Analysis」を確立

住友ゴム工業は、タイヤの原材料情報に加えて、ゴム内部の構造情報である高度分析データのリアルな情報から、高精度なゴム物性推定や、使用前後の構造変化の検知によって、使用後のゴム物性推定などに応用できる、AI技術「Tyre Leap AI Analysis」を新たに確立したと発表した。この技術の活用により、同社が「Smart Tyre Concept」で掲げている「性能持続技術」※1の開発を加速させ、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する安全・安心な高性能タイヤ開発につなげていくとしている。
※1 タイヤの摩耗、経年による性能低下を抑制し、新品時の性能を長く持続させるための技術

タイヤに用いられるゴムは、天然ゴムや合成ゴムなどのポリマー、カーボンやシリカなどの補強剤、架橋剤や、添加剤などで作られる複合体であり、各材料の配合量や、構造といったさまざまな要因によって性能が決定される。しかしながら、ゴムの内部構造は非常に複雑であり、人による解析では多大な時間を要し、かつ解析精度にも限界があった。
そのような中、今回確立した、AI技術「Tyre Leap AI Analysis」は、例えばタイヤ用配合ゴムの電子顕微鏡画像に、AI解析技術※2を適用することで、人にはできない高精度な解析が実現でき、画像(構造情報)から物性を導き出す。また、ゴムに配合されている原材料の情報と他の構造情報を組み合わせることで、さらに高精度な物性推定を可能にする。なお、「Tyre Leap AI Analysis」は、使用前後のゴム内部の構造変化の検知も行えることから、今後は使用後のゴムの物性推定などへの応用が期待ができる。
※2 AIによる画像解析技術は北海道大学 長谷山美紀教授との共同研究によるものである。

TOYO TIRES:マレーシアのタイヤ工場新棟を竣工、稼働 生産キャパシティを2倍へ拡張

 

TOYO TIREは、マレーシアのタイヤ工場「TOYO TYRE MALAYSIA SDN BHD(TTM)」において、新しい生産工場棟を去る10月3日に竣工し、生産を開始した。

TTMは、2013年5月に操業を開始して以来、東南アジアのみならず、北米、欧州や、日本などの世界市場に供給するグローバルハブとしての機能を果たしている。
同社は中期経営計画(中計’17)の中で「タイヤ事業の利益極大化に向けた事業基盤の強化の実現」を方針として掲げており、これに向けた施策のひとつとして位置づけるもので、同社が競争優位性を有するピックアップトラック/SUV/CUV 用を中心とした大口径タイヤの供給体制をさらに強化するものであるとのこと。
10月3日の式典には、マレーシア政府の国際貿易産業省、Dr. Ong Kian Ming副大臣や、駐マレーシア日本総領事などの来賓、地元関係者、取引先など約200名を招き、同社関係者とともに新棟竣工を祝った。

同社、清水隆史代表取締役社長は、式典でこれまでの支援に感謝の辞を述べるとともに「TTM新生産棟では当社の最新技術を搭載し、IoTを駆使した次世代タイヤ生産オペレーションの構築にトライしていく」ことを宣言した。

新工場棟のキャパシティは、既存工場棟(年産約500万本)と同等規模(年産約480万本)を有し、10月より生産を開始し、順次生産設備の増強を図りながら、第1ステップとして、年産240万本まで生産供給量を高めていく計画で、北米向けにSUV用大口径タイヤの生産供給を補完し、マレーシア工場全体として品種構成をより厚くしていく予定であるという。

(左:清水社長挨拶の様子 右:テープカットの様子)

 

 

 

 

 

TTM

 

 

 

 

 

 

■マレーシアタイヤ工場(TTM)

TTMは、北米のタイヤ生産工場「Toyo Tire North America Manufacturing Inc.」でフル活用している同社独自のタイヤ製造工法「A.T.O.M.」の要素技術を導入し、ユニフォーミティに優れた高品質かつ高性能な付加価値の高いタイヤを生産・供給しており、マーケットから高い評価を得ている。
現工場棟は年産500万本(乗用車用タイヤ換算)の生産能力を有しており、これに隣接して同規模の工場棟を建設できる敷地を予め取得している。

 

 

 

 

■生産能力の増強計画(2017年9月28日発表済み)

 

 

 

 

■生産能力の増強経緯と計画(2017年9月28日発表済み)

CONTINENTAL:未来のタイヤをデザイン

•「Conti C.A.R.E.」が未来のモビリティのための技術ソリューションを提供
•ホイールとタイヤの電動化とコネクティビティが持続可能なタイヤ管理を可能に

今年のフランクフルトモーターショーにおいて、コンチネンタルは、包括的な技術システムの 「Conti C.A.R.E.」を発表するとした。
「Conti C.A.R.E.」(Connected:接続、Autonomous:自律、Reliable:信頼、Electrified:電子化)は、ホイールや、タイヤ技術のネットワークを緻密に調整し、求められる性能特性の管理がしやすいことを表している。
これらの特性は、個々のモビリティあるいは、シェア・モビリティのシナリオ双方において、電気、自動運転の要件とも綿密に連携している。
ウェブベースのContiConnect Live(コンチ・コネクトライブ)アプリと連動することで、Conti C.A.R.E.は、コストを最適化するだけでなく、パフォーマンスを向上するなど、最新のロボタクシー車輌向けにタイヤ管理の手段を提供する柔軟なシステムソリューションを構築する。
「Conti C.A.R.E.タイヤ」は、タイヤ構造内に組み込まれたセンサーが、トレッドの溝深さや損傷の可能性、タイヤ温度と空気圧に関するデータを生成し、継続的に評価する。
「ContiSense(コンチ・センス)」と名付けられたこの監視システムが、タイヤの状況に関する情報を「ContiConnect Live」に送信し、車輌管理者がモビリティの管理を効率的に行なえるようにする。
もうひとつの革新的なアイデアは、ホイールに組み込まれた遠心ポンプを活用して、空気圧を能動的に調節するシステムです。車輌が加速すると、ホイール内の遠心力がポンプに作用して、圧縮空気を生成する。この耐圧技術は、タイヤの空気圧を常に最適な範囲内に保ち、CO2 排出量の持続可能な減少を達成するのに役立つとされている。
余分な圧縮空気は、一体型タンクに保管されるが、増圧技術により、この空気は、さまざまな運転状況に応じて、タイヤ空気圧を即時に調節するために使用される。

「サイレント・ホイールコンセプト」では、運転時に発生する振動を軽減して、優れた乗心地を提供する、改良されたホイールリムが紹介される。

TOYO TIRES:アジアンラリーで5連覇 「OPEN COUNTRY M/T」装着車がワン・ツー・フィニッシュ

TOYO TIREは、8月10日から16日に開催された「第24回アジアクロスカントリーラリー(AXCR、通称「アジアンラリー」)2019」において、同社がSUV用タイヤ「OPEN COUNTRY M/T」を供給したサポート選手が総合優勝(AUTO部門)した。
なお、2015年から本年まで、AXCRの単独優勝車両にて、5年連続で同タイヤが装着されており「OPEN COUNTRY M/T」は、これら過酷なチャレンジを支える本格派オフロードタイヤとして5連覇を果たしたことになる。

AXCRは、国際自動車連盟(FIA)公認のクロスカントリーラリーで、ダカール・ラリーと同格のアジア最大の国際ラリー大会である。
24 回目を迎えた本大会では、タイ王国のパタヤをスタートし、隣国ミャンマー連邦共和国の新首都ネピドーに至る約2200kmを駆け抜けた。
悪路走破性はもちろんのこと、ブレーキ性能やトラクション性能、耐外傷性といった本格的なオフロード走行を可能にする高いタイヤ性能が求められるなか「OPEN COUNTRY M/T」(タイヤサイズ:LT235/85 R16)を装着した、Natthaphon Angritthanon(ナタポン・アングリッツァノン)選手チームがAUTO部門で総合優勝を飾り、王座を堅守しました。また今回「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」※1チーム車両(OPEN COUNTRY M/T装着)の選手として特別参画した、同社契約ドライバー、川畑真人も、ラリー初参戦ながら見事完走を果たし、総合14位・クラス※22位を獲得した。さらには、ジムニー向け新商品「OPEN COUNTRY M/T-R」(本年7月1日発売開始)を装着したジムニーチームも、総合15位・クラス3位と大健闘した。「OPEN COUNTRY M/T」装着車両7台(うち同社サポート車5台)が上位15位内にランクインし、いかんなく発揮されたタイヤ性能が多くの選手の走りを支えた。
※1 俳優・哀川翔さんが監督を務めるチーム
※2 改造クロスカントリー車両 ガソリンエンジンクラス

左:優勝したNatthaphon Angritthanon選手チーム、右:走行の様子
左:FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES走行の様子、右:ラリー初参戦の川畑選手

BRIDGESTONE:中国でのタイヤ特許権侵害訴訟 ブリヂストンの勝訴確定

ブリヂストンは、広州市華南橡膠輪胎有限公司および万力輪胎股份有限公司(「WANLIタイヤ社」)を相手に提起していた特許権侵害訴訟に関し、2019年7月5日に判決を受領し勝訴が確定したことを発表した。
WANLIタイヤ社は中国の大手タイヤメーカーであり、2015年10月に、ブリヂストンが特許権を持つSUV用タイヤ「DUELER A/T REVO 2」のトレッドパタン※1を使用してタイヤを製造・販売した。その行為は特許権侵害に該当するとして、WANLIタイヤ社を提訴した。 2017年5月に、上海知識産権法院からブリヂストン勝訴の判決をブリヂストン側が受領したが、WANLIタイヤ社の控訴により上海市高級人民法院で控訴審が行なわれた。その結果、ブリヂストンの主張が認められて勝訴判決が確定した。
これにより、WANLIタイヤ社は、ブリヂストンの特許権を侵害するタイヤの製造・販売の中止および、約60万元(約960万円)※2の損害賠償金支払いを命じられた。

※1:タイヤが路面と直接接する部分に刻まれている溝の模様
※2:1元=16円で換算

TOYO TIRES:欧州初の現地R&Dセンターをドイツに設立 高性能技術開発を研鑚し、グローバルに展開

TOYO TIREは、ドイツ連邦共和国ノルドラインベストファーレン州ヴィリッヒ市に、欧州初の技術開発拠点「欧州R&Dセンター」を設立すると発表した。この「欧州R&Dセンター」は、欧州における強固な技術基盤の構築、商品開発力の強化、および、次世代モビリティを見据えた対応技術の確立などを目的として、2019年秋に稼働する予定である。これにより、米国、日本、欧州のそれぞれに技術開発拠点を擁することとなる。同社は今後、このR&Dグローバル三極体制により、技術・商品情報をR&Dセンター間で共有するとともに、開発速度のスピードアップを実現していくとしている。

同社は、2020年5月、セルビア共和国インジア市に新しくタイヤ工場の建設を着工し、2022年1月より、タイヤ生産の稼働を始めることを発表している。
セルビア工場では、最新鋭のスマート工場の確立を図る予定だが、これに先駆け、今回、同じ欧州にR&Dセンターを開設し、さまざまな素材調査をはじめ、最新技術や、次世代モビリティに関わる情報収集、材料評価などを実施していくとのこと。

欧州は一流自動車メーカーをはじめ、自動車関連企業も多数集積していることから、車輌や市場の動きに関わる最新情報をタイムリーに入手できる利点があり、同センターはマテリアルリサーチ、技術開発を融合し、現地に新設する工場において、高性能かつ付加価値の高いタイヤの開発・生産を担保していく機能を果たしていく。また、今後、セルビア工場の本格稼働に合わせ、配合開発や工法開発、評価やシミュレーションといった各種技術基盤を強化し、戦略商品の開発を進めるため、本センターにとどまらず、欧州域内においてR&D機能の拡張も検討していく予定である。

■拠点概要
施設名:欧州R&Dセンター
所在地:ドイツ連邦共和国 ノルドラインベストファーレン州 ヴィリッヒ市
社員数:約10名(2022年予定、うち日本人技術者3名 )
主な機能:原材料調査・評価、情報収集 等
建屋面積:約2,500㎡
主な設備:材料試験装置、化学分析装置 他

DUNLOP:高性能ランフラットタイヤ、DUNLOP「SP SPORT MAXX GT600 DSST CTT」が、日産自動車株式会社の「NISSAN GT-R」2020年モデルに装着

住友ゴム工業は、2019年6月に販売開始した日産自動車株式会社の「NISSAN GT-R」2020年モデルの新車装着用タイヤとして、DUNLOPの高性能ランフラットタイヤ「SP SPORT MAXX GT600 DSST CTT」の納入を開始した。

 

【「NISSAN GT-R」2020年モデル、「NISSAN GT-R 50th Anniversary」】
■タイヤサイズ
フロント:255/40ZRF20 101Y
リア:285/35ZRF20 104Y

【「NISSAN GT-R NISMO」2020年モデル】
■タイヤサイズ
フロント:255/40ZRF20 101Y
リア:285/35ZRF20 104Y

DUNLOP:オールシーズンタイヤ、DUNLOP「ALL SEASON MAXX AS1」を新発売

DUNLOP:オールシーズンタイヤ、DUNLOP「ALL SEASON MAXX AS1」を新発売
住友ゴム工業、ドライ路面、ウエット路面に加えて、雪道でも走行可能なオールシーズンタイヤ、DUNLOP「ALL SEASON MAXX AS1」を10月1日から発売する。発売サイズは、21サイズで、価格はオープン価格となる。
DUNLOP「ALL SEASON MAXX AS1」は、新開発の「超マルチコンパウンド」を採用することで、ドライ路面、ウエット路面から雪道まで、さまざまな路面で確かなグリップ力を発揮する。また「幅広センターリブ」の採用により、ドライ路面を正確に捉え、夏タイヤ同等の操縦安定性を実現するとともに「Vシェイプ主溝」が水膜をタイヤ側面に効率良く排水し、水膜の侵入を防ぐことで、優れたウエットブレーキ性能も実現している。さらに、このタイヤは、トレッドパターンの工夫により、同社夏タイヤ※1に近い静粛性(パターンノイズ)を実現するとともに、同社夏タイヤ※1以上のロングライフ※2も実現し「急な雪にも慌てない長持ち夏タイヤ」として訴求していくとのこと。
※1「エナセーブ EC204」比(以下同様)
※2「ALL SEASON MAXX AS1」のライフ性能はスリップサイン(露出)までを示している。

TOYO TIRES:セルビア共和国にタイヤ新工場を設立

TOYO TIREは、セルビア共和国にタイヤ生産子会社を設立し、同国インジア市内に、同社グループ8 拠点目となるタイヤ生産工場を新たに建設、操業することを決定した。
同社は、差別化された付加価値の高い製品をよりスピーディー、かつグローバルに供給していくことで、事業ステージをさらに高めていくことを志向してい、2020年以降の持続的成長を見据えた中期経営計画「中計’17」のなかでは、タイヤ生産体制の増強に取り組むとともに、新たな生産供給拠点の検討を行なってきた。
これまでロシアを含む欧州市場に対し、国内工場、マレーシア工場からタイヤの輸出供給を行なってきたが、今回、セルビア共和国に置く新生産拠点がこれらに代わってその主要な役割を担っていく。これにより、製品出荷時の関税面・物流面でのメリットを実現するとともに、グローバルにおけるタイヤ生産供給体制の増強とさらなる最適化を図るとした。
この工場にはIoT(MES*1)を導入し、自動車の最先端情報が集まる欧州でより洗練された最新鋭のスマート工場の確立を図り、これらによって、高品質と低コストを両立した競争力のある新しい次元のモノづくりに挑戦し、高品位な乗用車用、ライトトラック用タイヤを、欧州市場内外に向けて供給していく予定であるとのこと。
*1:MES:製造実行システム。Manufacturing Execution System。

セルビア共和国は、比較的低位な賃金水準で、質の高い優秀な人材を有しているほか、近年の経済改革や、財政健全化、外資企業の相次ぐ投資による自動車産業の集積化、日本との二国間関係強化といった進展が顕著で、欧州の中でもひときわ魅力あるビジネス環境が整ってきている国である。
同社は、2020年5月にセルビア工場の建築工事を着工し、2022年1月よりタイヤ生産の稼働を始め、2023年夏には,年産約500万本(乗用車用タイヤ換算)のタイヤ生産体制を確立する計画とのこと。

■新工場の概要
建設予定地:セルビア共和国ヴォイヴォディナ自治州インジア市
敷地面積:約60万㎡(約150エーカー)
生産開始:2022年1月(予定)
生産能力:年産500万本(乗用車用タイヤ換算)
従業員数:約500名
投資額:約488億円(390.5百万ユ-ロ)
生産品目:乗用車用、ライトトラック用ラジアルタイヤ

■新会社の概要
所在地:セルビア共和国ベオグラード市
事業内容:乗用車用、ライトトラック用ラジアルタイヤの製造・販売
出資比率:TOYO TIRE株式会社100%
設立年月日:2019年9月(予定)
資本金:200億円(160百万ユーロ)