住友ゴム工業:タイヤの性能持続技術開発を加速させるAI技術「Tyre Leap AI Analysis」を確立

住友ゴム工業は、タイヤの原材料情報に加えて、ゴム内部の構造情報である高度分析データのリアルな情報から、高精度なゴム物性推定や、使用前後の構造変化の検知によって、使用後のゴム物性推定などに応用できる、AI技術「Tyre Leap AI Analysis」を新たに確立したと発表した。この技術の活用により、同社が「Smart Tyre Concept」で掲げている「性能持続技術」※1の開発を加速させ、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する安全・安心な高性能タイヤ開発につなげていくとしている。
※1 タイヤの摩耗、経年による性能低下を抑制し、新品時の性能を長く持続させるための技術

タイヤに用いられるゴムは、天然ゴムや合成ゴムなどのポリマー、カーボンやシリカなどの補強剤、架橋剤や、添加剤などで作られる複合体であり、各材料の配合量や、構造といったさまざまな要因によって性能が決定される。しかしながら、ゴムの内部構造は非常に複雑であり、人による解析では多大な時間を要し、かつ解析精度にも限界があった。
そのような中、今回確立した、AI技術「Tyre Leap AI Analysis」は、例えばタイヤ用配合ゴムの電子顕微鏡画像に、AI解析技術※2を適用することで、人にはできない高精度な解析が実現でき、画像(構造情報)から物性を導き出す。また、ゴムに配合されている原材料の情報と他の構造情報を組み合わせることで、さらに高精度な物性推定を可能にする。なお、「Tyre Leap AI Analysis」は、使用前後のゴム内部の構造変化の検知も行えることから、今後は使用後のゴムの物性推定などへの応用が期待ができる。
※2 AIによる画像解析技術は北海道大学 長谷山美紀教授との共同研究によるものである。