JATMA:定時総会を開催

日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、5月26日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、書面にて定時総会を執り行なった。

新会長には、東正浩氏(ブリヂストン代表執行役グローバルCOOグローバルCAO、BSJP分掌BSJPCEO・日本事業社長、日本タイヤ事業管掌)が就き、副会長には、山石昌孝氏(横浜ゴム代表取締役社長)が就任した。

2020年度新役員は下記の通り

2020年度 新役員
【理 事】
会  長 東 正 浩       株式会社ブリヂストン 代表執行役副会長(新任)
副  会  長 山 石 昌 孝  横浜ゴム株式会社 代表取締役社長(新任)

【専務理事】

倉 田 健 児  日本自動車タイヤ協会 ― (再任)
木 水 秀 和  株式会社ブリヂストン 常務執行役員(再任)
西 口 豪 一  住友ゴム工業株式会社 常務執行役員(再任),
山 本 忠 治  横浜ゴム株式会社 常務執行役員(再任)
笹 森 建 彦  TOYO TIRE株式会社 取締役執行役員(再任)
【監 事】
瀧 脇 將 雄  TOYO TIRE株式会社 執行役員(新任)
提 箸 欣 也  翼法律事務所 弁護士(再任)
【顧問】
山 本 悟       住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長(再任)
清 水 隆 史  TOYO TIRE 株式会社 代表取締役社長(新任)

 

東新会長は、次のように就任挨拶をした。

【東新会長就任挨拶】

5月26日に開催されました定時総会を終え、清水前会長を引き継ぎJATMAの会長に就任いたしました。
新型コロナウイルス感染症への対応の一環として、人々の移動を伴う活動は現在、大きく制限されています。こうした対応は日本だけではなく全世界的に実施されているものです。今般のJATMA定時総会も参加者の移動を避け、書面により執り行なわれました。
新型コロナウイルス感染症に対してわれわれが今後どのように向き合っていかなくてはいけないのか、収束のタイミング含めて見通しを立てることは非常に難しいのですが、社会生活のあり方が大きな転換期を迎える事は間違いないだろうと考えます。そのような中で、モビリティ、そしてその主役である自動車の進化は、交通事故、交通渋滞や排ガスなどの社会課題の解決をより一層目指すものになるでしょう。
自動車タイヤは、自動車を中心としたモビリティを支える最も重要な商品のひとつです。自動車タイヤという商品をグローバルに提供する日本のタイヤ産業は、この重要な商品の提供をとおして、モビリティ社会を支えることに、今後とも大きく貢献していかなければならないと考えます。
日本のタイヤ産業の団体であるJATMAは、上記貢献の円滑な実現を目指し、個々の企業の枠を超えた産業団体として行なうべき活動に邁進していく必要があります。その活動の基軸は、清水前会長がこれまでに幾度となく強調されてきたとおり、「安全」と「環境」です。 JATMAの新会長として、これまでの活動の基軸を振れることなく踏襲する一方、市場や社会の変化には柔軟に、そして積極果敢に対応する組織運営を図ってまいります 。
近年、世界はアメリカと中国の間に横たわる摩擦や、イギリスの離脱に伴う混沌としたEU情勢など、政治的にも不確定要素の多い状況にあります。その一方で、経済とその基盤となる市場に関しては、統合という大きな流れに沿って動いていると期待をもって見ています。
この激動期にあって、グローバルに活動する産業の団体であるJATMAの会長として、その職責を全うすべく全力を傾ける所存です。関係する皆様におかれましては、日本のタイヤ産業の発展に向け、ますますのご支援、ご鞭撻をお願いし、私の就任の挨拶とさせていただきます。

 

今回退任した、前清水会長(TOYO TIRE代表取締役社長)は、次のように退任挨拶をした。

【清水前会長退任挨拶】

本日開催された、JATMA定時総会をもちまして2年間の任期を終え、会長を退任いたしました。
会長としての2年間、国内自動車タイヤ産業における生産・販売活動はもちろん、使用から廃棄にいたる製品のライフサイクル全般を念頭に、タイヤに関して、市場や社会に潜在するさまざま な課題の解決を目指し、意欲的な取り組みを進めてまいりました。
世界中で人やモノの移動を実現しているモビリティ。自動車タイヤは、このモビリティを支える最も重要な商品のひとつです。人やモノの移動を実現する一方で生まれる、多岐にわたる課題を網羅的に捉えて、最適な答えを求めていく必要がありました。これらの活動の中でも、特に社会との接点において揺るぎない基軸として据えていたのが「安全」と「環境」です。
関係する多くのみなさまのご協力もあり、少しずつ周知が広がってきたタイヤの日ですが、4月8日には実際に高速道路のサービスエリア(東北自動車道羽生SA)でタイヤの安全啓発と空気圧点検を実施しました。また、秋期には東名高速道路浜名湖サービスエリアでも同様に行ない、皆様にご取材をいただきました。これらのイベントには、わたくしも現地まで足を運んで参加し、一般のドライバーの方々に空気圧管理の重要性を知ってもらうことができましたし、同時にわたくし自身もユーザーのみなさまから直接お声を聞く機会として大変有意義なものでした。
また、国連欧州経済委員会において「タイヤの車外騒音・ウエット路面上の摩擦力・転がり抵抗に係る協定規則(第 117 号)」が採用されたことに伴い、わたくしの在任期間中に、ウエットグリップ、転がり抵抗および車外騒音に係る国内規制の導入が開始されました。同規制に適合する自動車タイヤの円滑な供給をとおして、モビリティの環境性能向上に些かなりとも貢献することができたのではないかと振り返っております。
昨年6月、JATMAがホストを務め、ISOにおけるタイヤの国際規格策定を担うTC31の年次総会を金沢で開催しました。国内の自動車タイヤ産業はグローバルにビジネスを行なっており、国際規格の重要性、必要性はご承知の通りです。わたくし自身も金沢に赴いてその想いを新たにしましたが、今後も引き続き、業界を挙げてISOにおける取り組み強化を図っていかねばならないと考えます 。
JATMA会長の在任2年間には、実にさまざまな役割を果たしてまいりましたが、ひとえに関係者の皆さま方からご理解とご協力をいただいてきたお陰と、改めて心より厚く感謝申し上げる次第です。
新型コロナウイルス感染症拡大によって、タイヤを含め、自動車産業全体が深刻な影響を受けているところですが、モビリティによる人やモノの移動は社会インフラとして欠かせない使命を負っています。引き続き報道機関のみなさま方より、倍旧のご厚誼を賜わりますようお願い申し上げます。
新しい東会長のもと、ますます業界が発展できますよう祈念申し上げ、簡単ではございますが、退任の挨拶とさせていただきます。