ITOCHU:英国の廃タイヤ回収・加工事業会社Murfitts Group Ltdの全株式を取得

伊藤忠商事は、英国の廃タイヤ回収・加工事業会社大手である、Murfitts Group Ltd(本社:英国レイカンヒース、Managing Director:Mark Murfitts、以下「Murfitts」)の全株式を取得することについて、2021年12月17日(現地時間)に基本合意した。株式取得は、伊藤忠商事の事業投資先で、英国最大手のタイヤ小売事業、Kwik Fitと英国最大手のタイヤ卸事業、Stapleton’s Tyre Servicesを展開する、EUROPEAN TYRE ENTERPRISE LIMITEDを通じて行われる。

Murfittsは、英国で年20百万本相当(乗用車タイヤ換算)の廃タイヤを回収・加工し、リサイクル製品の販売を行っており、競技場や舗道・遊戯場の表面、カーペットの下敷きやアスファルト代替といった様々な産業用途に使用され、世界中に輸出されている。英国全土にタイヤの物流網を抱えるETELによるMurfittsの株式取得は、回収・加工の更なる拡大をもたらすとしている。

また、Murfittsは粒状にした廃タイヤを真空状態下で熱することで、CO2を排出することなくカーボンブラック(CB)・再生燃料といった付加価値の高い再生原料へ分解する独自の熱分解技術の開発・商業化に取り組んでいる。この取組は、廃タイヤから熱分解により生成した再生CBを使用することでタイヤ製造におけるサステナビリティを促進するものだという。

伊藤忠商事は、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の基本方針に『マーケットインによる事業変革』と『「SDGs」への貢献・取組強化』を掲げている。先般公表した、タイヤの主原料である天然ゴムのサステナビリティに焦点を当てた「PROJECT TREE」に続き、ETELの傘下にMurfittsを加えることで、廃タイヤ回収による廃棄物の削減だけでなく、リサイクル製品の販売を通してタイヤサプライチェーン全体のサステナビリティへの貢献を目指すとしている。