ミシュランは、エールフランス航空の今後10年間の独占タイヤサプライヤーに選ばれた。両社は、タイヤ供給のみならず、CO2排出量削減、デジタルサービス拡大など航空業界の持続可能な発展のため、協業体制を強化するという。
ミシュラン製品新品および、リトレッドタイヤは、2030年までの10年間、エールフランスの短・中・長距離の航空機に装着される。エールフランスの航空機には、Near Zero Growthテクノロジー[*]を採用した航空機用ラジアルタイヤ「MICHELIN Air X(R)」など、最新のタイヤが装備される。NZGテクノロジーにより、窒素充てん時のタイヤ膨張が抑えられ、優れた耐久性と耐損傷性が得られるとのこと。
ミシュランとエールフランスは、航空業界向けの持続可能なサービスとソリューションを開発するため、パートナーシップを拡大する。両社は、これまでも常に共通のDNAである“安全と製品性能のためのイノベーション”を共有しており、今後も引き続き協力し、CO2排出量削減に取り組む。ミシュランは、ヨーロッパの研究事業に積極的に参加しており、タイヤと関連システムの軽量化、フライト時の燃料消費量の削減およびCO2排出量削減の為の画期的な技術の開発に取り組んでいる。また、デジタルや、その他の分野にもパートナーシップを拡大し、ミシュランは、革新的なリサイクル技術、高性能でエコロジカルな樹脂の開発、3Dメタルやプラスチック印刷技術など、さらに野心的なソリューションを提供する。ミシュランの昨今の事業分野拡大により、パートナーシップ事業の対象範囲の拡大が可能となった。
▼ミシュラン航空事業部ダイレクター、マウロ・スポンザは次のように述べている。
「今後10年間の独占タイヤサプライヤーに選ばれ、エールフランスから信頼を寄せられていること大変光栄に思います。この契約により、全航空機に高性能タイヤが装備されます。ミシュランタイヤは、繰り返される着陸や極限状態でも高い安全性を保証しており、特に新世代の航空機に最適です。軽量なので燃料を大幅に節約でき、航空の持続可能性をさらに高めることができます。このパートナーシップで、タイヤの供給を超えて両社の新しい成長分野の探求も可能となります」
▼エールフランスのEVPエンジニアリング&メンテナンス責任者Gery Mortreux氏は次のように述べている。
「ミシュランは単なるサプライヤーではなく、エールフランスの長年のパートナーです。航空機にフランス製のタイヤを装備し、コラボレーションを新イノベーション分野に拡大できることを嬉しく思います。今回の提携により、エールフランスが現在重点的に取り組んでいる環境フットプリントの削減プロジェクトがさらに加速することが期待されます」
[*]ニアゼログローステクノロジー:タイヤ寸法の増大を限りなくゼロに近づけるミシュラン独自の技術。航空機用タイヤは乗用車用タイヤなどに比べて高内圧で使用されるため、窒素ガス充填後および離着陸時の高速走行での寸法増大を抑えることで、タイヤの耐久性を高め、異物による損傷を受けにくくする。