MICHELIN:ヤマト運輸 リードロジスティクスパートナー契約を締結 ~物流改革共同プロジェクトを開始し、環境負荷の少ない持続可能な物流を実現~

日本ミシュランタイヤとヤマト運輸株式会社は、ミシュランの日本国内における円滑かつ強固な物流体制の再構築を目的に、2022年9月14日に、リードロジスティクスパートナー契約を締結した事を発表した。ミシュランのサプライチェーン全体を変革し、その物流と在庫を最適化することで、将来的な総ロジスティクスコストの削減や出荷リードタイムの短縮を実現し、ユーザーの更なる満足度向上を目指すとしている。2022年9月から一部で運用を開始し、2023年1月10日から本格始動を予定しているとの事。

今回の物流改革共同プロジェクトは、地球や人の持続可能性に対するビジョンを相互に共有できるパートナーと判断しスタートした。ミシュランは「すべてを持続可能に」という企業ビジョンのもと、人・地球・利益の三方良しを理念とし、2050年までに100%持続可能な成分でタイヤを製造することを約束している。また、大西洋にて帆船による海上輸送の推進、東南アジアでの天然ゴム栽培および森林保全の管理の最適化など、グローバルに脱炭素への取り組みを大胆に進めている。

ヤマト運輸は、物流を通して企業の経営課題を解決し、持続可能な成長を実現するリードロジスティクスパートナーとして、ビジネスの上流から下流まで「End To End」での総合的な価値提供を目指し、企業の経営に資するサプライチェーンの変革とオペレーションの最適化をグローバルに支援している。また、2050年温室効果ガス排出実質ゼロおよび2030年温室効果ガス排出量48%削減(2020年度比)の実現に向け、EV20,000台や太陽光発電設備810件の導入、再生可能資源や再生材の利用などを進めている。CJPT社と共同で、電動車普及に向けたカートリッジ式バッテリーの規格化・実用化の検討を開始するなど、カーボンニュートラル社会実現に向け積極的な取り組みを進めている。

両社は、物流の標準化・自動化・最適化を促進することでユーザーへの利便性を高めながら、温室効果ガスを可視化・削減することで環境負荷のより少ない持続可能な物流を実現していく。

今回、ミシュランの物流体制をヤマト運輸が一元管理することで、以下が可能となる。
①.現在約20拠点ある倉庫を5拠点に集約します。各拠点の在庫の可視化・最適化により、東西の中央倉庫から地域倉庫への在庫転送量の極小化を実現するとともに、ヤマト運輸の法人向けミドルマイルネットワークなどを活用し、まずは従来と同様の配送リードタイムを実現する。また、Scope3の温室効果ガス排出量を削減する。
②.ヤマト運輸の輸配送管理システムを活用したオーダートラッキングにより、ユーザーの注文毎の配送状況をトレースすることで、ミシュランコールセンターでの迅速なご案内を可能にする。
③.ヤマト運輸のデジタル送り状を採用することで、業務効率化とペーパーレス化を促進する。複写式の伝票を廃止し、汎用的なA4用紙を使用することで、省資源化を進める。
④.ヤマト運輸の倉庫管理システムで、全ての在庫タイヤの製造年度を一本単位で管理することで、FEFO(使用期限が近い製品から先に出荷)を実現する。期限切れによる処分を極小化することで環境問題へ対応する。

また両社は今後、RFIDを活用したDX化も促進していく。製造過程でタイヤに付帯するICタグを倉庫運営に活用し、タイヤ一本単位の年度管理に加え、生産国の識別などを容易にし、ユーザーのニーズに的確に応える。さらに、荷受け・ピッキング・出荷作業・棚卸などの倉庫内作業を省人化、生産性の向上を目指す。将来的には、ヤマト運輸の輸配送管理システムと、ミシュランのシステムを連携させ、注文したタイヤの配送状況をユーザーが確認出来る仕組みの導入も検討していくという。