TOYO TIRES:2024年度 入社式 社長訓示(要約)

TOYO TIREは、本日2024年度入社式を執り行ない、同社、清水隆史社長は、下記の通り、訓示を行った。

「ご入社、誠におめでとうございます。
4年前の2020年から、我々は誰も経験したことのない感染症の蔓延に直面し、国家も社会も世界経済も、そして個人の生活も翻弄されました。特に皆さんは、まさに学業に勤しむ期間そのものがコロナ禍とともにあった世代であり、そして、その「非日常」を乗り越えてこられた方々です。さまざまな物事やしくみ、価値観が変転し、もうコロナを知らなかった過去の社会へは戻ることはありません。コロナを経験したからこそ得られた、新しくアップデートされた社会を我々は今、生きています。コロナを乗り越えて社会人になられた皆さんの柔軟性やレジリエンスは、将来の財産であり、必ずや当社の力となって支えてもらえるものと期待しています。
当社の2023年度連結業績は、コロナ前の2019年度と比較して、売上高で約1.5倍、営業利益は実に約2倍となりました。当社は事業、経営の質にこだわり、規模は小さくても、強靭な体質を持つ企業になっていこうとしています。独自の技術を強みとして、付加価値の高い製品をお届けすることを技術部門も生産部門も販売部門も徹底的に意識して連携し、また、さまざまな環境変化にも迅速かつ柔軟に対応していく、そういった事業経営基盤づくりを続けることが、TOYO TIREを存在感ある会社へ進化させてきたと考えています。
本日より、TOYO TIREグループの一員として、新たな挑戦を始める皆さんにお願いしたいことを3点、お伝えします。
1つ目は、「挑戦を恐れず」に、そして「原理原則をしっかり学ぶ」ということです。皆さんは時代の新しい動きに対し、順応する感度がもっとも優れている世代です。変化の激しい、曖昧で不確実な時代のなかでしっかり光をつかみ取って生きていくには、しなやかな柔軟性が必要です。スピード感をもって変化に対応していくために、物怖じせず、新しいチャレンジを起こしていただきたいと思います。しかし、戦略も哲学もないまま、やみくもに新しいことばかりを追いかけては消耗し、逆に破綻に行き着くだけです。新しい挑戦の肥やしを蓄えるために、まずは物事の原理原則、正しい仕事の仕方を身に着け、新たな挑戦の力となるために自分の足元をしっかり固めていただきたいと思います。
2つ目は、「お客様に誠実に、そして期待を超える」ということです。社会の一員として、組織の一員として、そして何より人としてもっとも重要なことは、「正しく誠実である」ことだと思います。一心に正しく仕事をし、お客様に喜ばれる本物をお届けすることは、製造業としてごく当たり前のことであり、当社の使命です。そのためには、一人ひとりが「正しく誠実である」ことが大前提です。常にお客様、自分以外の関係する人に喜んでいただき、その期待を超えていくにはどうすべきかを意識して、行動していただきたいと思います。
3つ目は、「主体性を持ち、連携を大切にする」ということです。会社は異なる立場・知識・経験を持つ人たちの集まりです。事業経営は、そうした人たちのチームプレーであり、その総和によって、結果が生まれてきます。お互いを尊重しながら、互いの個性を発揮し合うことで化学変化が起こり、協調し合うことでシナジーが生み出されます。自ら意欲をもって主体的に関わっていくという行動が会社を変えていく源泉です。ぜひそういう姿勢を持っていただきたいと思います。
これら3点は、皆さんの先輩方にも入社時に伝えたものです。それぞれ、働くうえで意識していただきたい普遍的なものであり、どんな時も心に留め置いてほしいと思います。
新しく仲間になっていただいた皆さんにも当社で仕事に向き合い、お客様に向き合い、TOYO TIREという会社を通じてさまざまな挑戦をして自己実現をめざすとともに、社会に対する役割を果たしていただきたいと考えています。
当社は強みの源泉である北米でのプレゼンスを守りながらも、次のマーケットをしっかり育て、確固とした新しい強みを築いていくフェーズにもあります。皆さんが持っておられる力、新しい挑戦、価値観が、当社の多様性をより豊かにし、また、当社の可能性をより広げてくれるものと固く信じています。
仕事人生においては、必ずしも思い通りにならない場面も多々あることでしょう。しかし、あきらめずに挑戦を続け、一つひとつ積み上げていく地道な努力を惜しまないでほしいと思います。当社は愚直な力によって、強くなってきた会社であり、皆さんの力と挑戦がTOYO TIREの新しい歴史を作っていきます。いっしょに、新しい未来を描いていただきたいと思います」