YOKOHAMA:ポーランドのタイヤ販売会社を買収

横浜ゴムの欧州事業統括会社であるヨコハマ・ヨーロッパ(Yokohama Europe GmbH)は、5月6日、ポーランドを中心とした中東欧諸国でヨコハマタイヤの輸入・卸売りを行っている販売代理店である「ITR CEE Spółka z.o.o.」の全株式を取得する契約を締結した。
株式譲渡完了は、5月14日を予定しており、その後、社名を「Yokohama CEE Spółka z.o.o.(ヨコハマ・シー・イー・イー)」に変更するとのこと。

同社は、これまで同社と共にポーランドおよび中東欧地域におけるヨコハマタイヤの拡販に取り組んできたが、今回、同社を欧州におけるヨコハマタイヤ販売ネットワークに招くことで、成長市場である中東欧におけるシェア拡大および事業基盤の強化を図るとしている。

【ITR CEE概要】
会社名:ITR CEE Spółka z.o.o.
設立年:2015年
資本金:1万ポーランド・ズロチ
売上高:5,352万ポーランド・ズロチ(2020年3月期)
本社所在地:ポーランド・ワルシャワ
従業員数:16名

BRIDGESTONE:武蔵野美術大学と、共生社会実現を目指しコミュニティづくりに関する共同研究をスタート

武蔵野美術大学とブリヂストンは、共生社会実現のためのコミュニティづくりに関する共同研究をスタートことを発表した。

【プロジェクト概要】
「共生社会」とは、障がい者をはじめとしたこれまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった人々が、積極的に参加・貢献していくことができる社会である。高齢化や人口減少が進む中で地域における支え合いの機能が弱まっており、個人や世帯が抱える課題も複雑化してる。加えて、個人のライフスタイルや意識も多様化している今だからこそ、コミュニティのあり方、他者との関係の築き方について考えなければならない。公的支援による生活の保障だけでなく、一人ひとりが互いを尊重し孤立することなく主体的に行動できるようなシステムの構築が必要である。
この研究では、多様化する地域社会での共生実現という目標に向かって、今後あるべき姿を「デザイン」の観点から検討していく。具体的には、障がい者・高齢者といった地域住民の皆様を対象にフィールドリサーチを行って課題を抽出し、ワークショップ等で課題解決や目標実現のための「関係のデザイン」、「参加のデザイン」 を企画・運営・記録・発信することで、その成果を検証する。

【テーマ】
小平市の共生コミュニティに関する研究

【目的】
多様化する地域社会での共生実現に向けて、デザインの観点から検討する

【期間】
2021年4月 〜 2022年3月

【武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科・齋藤啓子教授のコメント】
授業では、地域の小学校、児童館、公民館、図書館、病院、商店街、福祉作業所など、様々なところとのコミュニケーションデザインに取り組んでいます。福祉作業所とのつながりは、障がい者のアート作品を商店街に展示する交流プロジェクトに参画したことがきっかけです。こうした授業の取り組みで実感するのは、日々の暮らしの営みは地域の中の様々な場と人でつながっているということ。そのつながりがあるかどうかが、とても重要なのです。
「共生社会」はまさにぴったりのテーマ。この度は、これまでに培った地域のネットワークを活かして、株式会社ブリヂストンのみなさんと学生が共同研究します。大学と地域に企業が加わって「関係のデザイン」「参加のデザイン」をつくることで、新しい場と人のつながりを生み出します。

【ブリヂストングループが取り組むActive and Healthy Lifestyle】
私たちブリヂストングル―プは、創業当時から続けてきた”人々の生活と地域社会に寄り添い、一人ひとりを支える活動”をActive and Healthy Lifestyleの頭文字を取り、「AHL」と名付けました。それは一人ひとりが心身ともに健康で、個性を活かし、自己実現を果たしながら、多様な人々が互いに認め合い、助け合う共生社会を築くための活動です。当社グループは、共生社会の実現に向けて、障がい者や高齢者が抱える社会課題を、地域社会や様々なパートナーとの共創によって解決することを目指しています。この度の共同研究を通じて、障がい者や高齢者、全ての人々が活き活きと参加できる共生社会の実現に向けて、当社グループと武蔵野美術大学の強みを活かした交流の機会を提供していきます。

齋藤啓子教授
スポーツを通じた社会参加の機会を提供(車いすテニス体験会の様子)

TOYO TIRES:「NCCR2021」「Rally Osaka 2021」をサポート

TOYO TIREは、地元の行政や警察と連携して交通安全啓発を行なうイベント「日本クラシック&エキサイティングカーラリー2021(NCCR2021)」「Rally Osaka 2021(ラリー大阪2021)」に協賛することを発表した。

「NCCR」、「Rally Osaka」は、クラシックカーやスポーツカーなどが出場する、自動車ラリーイベントで、さまざまなクルマが、交通規則を遵守してゴールをめざすことで、運転マナーの向上と安全運転の大切さを訴求するほか、文化遺産としてのクルマの魅力を次世代に伝えることも目的としている。
新型コロナウイルス感染症の影響をうけ、三密を避けながら移動できるクルマに注目が集まっている中、同社は、今一度、安全運転への意識を高めていただきたいという思いから、同イベントの開催趣旨に賛同し、5月16日(日)に開催される「TOYO TIRES NCCR2021びわ湖」を皮切りに、年間を通して、関西圏で開催されるラリーイベントに特別協賛するという。
※同イベントは新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じたうえで実施される。

★概要★

日 程: 2021年5月16日(日) TOYO TIRES NCCR2021びわ湖(滋賀県)
2021年9月26日(日) TOYO TIRES NCCR2021奈良(奈良県)
2021年12月5日(日) TOYO TIRES RallyOsaka2021(大阪府)
主 催: Automobiles are Culture Project (NCCR開催実行委員会 http://nccr.blog.jp/)
主 管: 株式会社ツーアンドフォー

※新型コロナウイルス感染症の影響により、開催日程を変更する可能性あり。

YOKOHAMA:日本カーシェアリング協会へタイヤ寄贈

横浜ゴムは、東日本大震災の被災者支援の一環として、乗用車用タイヤ12本とホイール4本を一般社団法人日本カーシェアリング協会に寄贈した。寄贈タイヤは4月14日に宮城県石巻市にある石巻専修大学で開催された「2021年春の学生整備プロジェクト」において被災された方に寄贈する車両へ装着された。

日本カーシェアリング協会は、東日本大震災の復興支援活動の一環として、震災直後の2011年4月から仮設住宅や在宅避難の方々を対象にカーシェアリングをサポートし、仮設住宅や復興住宅などでの非営利のカーシェアリング、生活困窮者や非営利組織への車両貸し出し、地域振興のための車両貸し出しを行っている。また、自然災害によって車を失ってしまった方々へ車を一定期間無料で貸し出す生活再建支援も行っている。横浜ゴムは、同協会の活動に賛同し、東日本大震災で被災され、今も生活に不自由を強いられている方々や支援団体に乗用車用タイヤを寄贈する活動を2015年から行っている。

「学生整備プロジェクト」は、石巻専修大学の理工学部機械工学科自動車工学コースで授業の一環としてタイヤ交換、オイル交換、点検作業などを毎年春と秋のタイヤ交換のシーズンに合わせて行っている。

TOYO TIRES:フォーミュラドリフトジャパン2021に参戦

TOYO TIREは、2021年5月15日より、鈴鹿ツインサーキットで開幕を予定している、「FORMULA DRIFT JAPAN 2021(フォーミュラドリフトジャパン)」に参戦することを発表した。
「FORMULA DRIFT」は、日本発祥のモータースポーツであるドリフト競技の代表的な大会「D1グランプリ」などの影響を受け、アメリカで生まれたドリフト競技である。フォーミュラドリフトジャパンは、2015年より「FORMULA DRIFT」のインターナショナルシリーズとして日本へ逆輸入するかたちで開催されるようになった。
同社は、モータースポーツへの参画の一環として、昨年に引き続き今年もフォーミュラドリフトジャパンにスポンサー企業として参戦する。昨シーズンは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、全レースを無観客で開催し、その模様は動画で配信された。全世界から延べ270万回以上の再生が行われ、モータースポーツファンからの注目度が高いイベントとなっている。
今シーズンは、Mad Mike選手および、川島将貴選手に、同社製タイヤ「PROXES R1R」を供給し、本レースへの挑戦をサポートするとのこと。
2020年1月に同社ブランドアンバサダーに就任した、Mad Mike選手は、コロナ禍の影響で初戦への参戦は見送ることとなったが「次のレースではファンの皆様に満足いただける走行をしたい」と強い意欲を表明している。また、川島将貴選手は、今年のD1グランプリシリーズでデビューを果たし、満を持してフォーミュラドリフトジャパンに初参戦する。

Mad Mike選手
Mad Mike選手
Mad Mike選手のドリフト走行の様子
PROXES R1R
川島将貴選手

MICHELIN:自動車専用360度スキャナーを提供する、仏「ProovStation」(プルーブステーション)と提携を発表 〜自動車両点検ソリューションを強化、車両点検全体を30分から1分未満に短縮〜

ミシュランは、自動車専用 360 度スキャナーを提供する「 ProovStation(本社︓フランス)と提携し、自動車両点検ソリューションを強化すると発表した。
車両点検は、これまで約30分を要し、うち約3分でタイヤ点検をするのが一般的であったが、今回の提携により、わずか数秒でタイヤを点検し車両点検全体を1分未満にまで短縮することが可能になる。また、車両点検費用を抑え、点検結果の信頼性も高まる。
「ProovStation」 が開発したソリューションに、ミシュランは、路面磁器スキャナー「MICHELIN QuickScan」で培ったタイヤ点検技術を提供する。「MICHELIN QuickScan」により自動車両点検機能が強化され、タイヤの摩耗をミリメートル単位の精度で、自動かつ瞬時に確認できるようになる。
「MICHELIN QuickScan」は、路面の磁気スキャナーでタイヤ摩耗を自動測定する。全ブランドのタイヤと、車両を、雨、雪などの天候に関わらず測定可能で、電気機器無しに4時間以内に設置ができる。また、汚れや泥を取り除く必要はなく、メンテナンスも簡単である。15以上の特許出願をしたこのツールに加え、ミシュランは。独k時の人工知能アルゴリズムでタイヤデータを精査分析する。

【ProovStation 】
「ProovStation」は、欧州13か国で事業展開する、コンピュータービジョンを専門とする DeepTechの新興企業である。
2017年以降、自動車検査プロセスの自動化、標準化、修理費自動見積もりを追求してきた。「ProovStation」は、一連の光学技術で、3秒で360°スキャンを実⾏するハイテク車両スキャナーを開発している。

TOYO TIRES:SCOREシリーズ初戦「San Felipe 250」で、同社「OPEN COUNTRY」装着車両が総合優勝

TOYO TIRE、および、Toyo Tire U.S.A. Corp.は、4月14日から18日まで、メキシコ・バハカリフォルニア州で開催された、オフロードレース「第34回 SCORE San Felipe 250」において、同社より「OPEN COUNTRY M/T-R」を供給、サポートした「Bryce Menzies(ブライス・メンジス)選手チーム」が総合優勝したほか「Andy McMillin(アンディ・マクミラン)選手」が3位「Alan Ampudia(アラン・アンプディア)選手」が4位と、上位入賞を果たしました。

34回目の開催となった「SCORE San Felipe 250」は、オフロードレース「SCORE World Desert Championship」(全4戦)における2021年シリーズの初戦となる。全280.2マイル(約450km)でタイムを競う同レースに、今年は、35名の選手が参戦した。

「SCORE San Felipe 250」のコースは、想定通りに走るのが困難なコースのひとつとして知られていて、荒涼とした砂漠に突如出現するくぼみや岩場など、悪条件のなかでの高速走行がレースの行方を左右し、タイヤには、悪路における対外傷性や起伏のあるコースでのトラクション性能が求められる。このレースでは、同社製タイヤ「OPEN COUNTRY MT-R」が優れた耐久性とパフォーマンスを発揮した。「Bryce Menzies選手」が4時間28分のタイムで総合優勝、7分後にゴールした「Andy McMillin選手」が3位、「Alan Ampudia選手」も力強い走りで4位を獲得、TOP5のうち3選手が同社のサポートチームで占める結果となった。

「Bryce Menzies選手」は「今年のサン フェリペのコースは過酷だった。我々のチームも柔らかい砂の中に潜んだ大きな岩の衝撃に幾度となく遭遇したが、タイヤがパンクすることもなく、自信を持って運転できたことがレースに勝利できた要因だ」と、レースを振り返ってコメントしている。

TOYO TIRES:「2021年D1グランプリシリーズ」に参戦

OYO TIREは、2021年4月24日より、滋賀県の奥伊吹モーターパークで開幕を予定している、「2021年D1グランプリシリーズ(D1GP)」に、参戦することを発表した。

同社は、2007年よりドリフト競技チーム「Team TOYO TIRES DRIFT」を結成し、D1GPに参戦しており、今年は、川畑真人選手、藤野秀之選手の2名体制で、D1GP全10戦に挑む。川畑選手は、昨年に引き続き、同社のブランドカラーである青を強調したデザインのTOYOTA GR Supraでレースに臨む。藤野選手は、今後のD1GPの発展と自身への挑戦の意味を込めてマシンを一新し、同じく青を強調したTOYOTA 86で参戦する。
なお、タイヤサポートドライバーには、松井有紀夫選手(Team RE雨宮 K&N 所属)、トヨタ自動車株式会社に勤務するテストドライバーでもある松山北斗選手(FAT FIVE RACING 所属)のほか、新たに川島将貴選手(Team M2 Racing 所属)が加わる。川島選手は、2019年にD1GPの直下のカテゴリーであるD1 Lightsで初優勝し、今年、満を持してのD1GP参戦に、注目が集まっている選手である。

■2021年D1グランプリシリーズ(予定)

4月24日(土)・25日(日):第1戦・第2戦 奥伊吹モーターパーク 滋賀県
6月26日(土)・27日(日):第3戦・第4戦 筑波サーキット 茨城県
8月21日(土)・22日(日):第5戦・第6戦 エビスサーキット 西コース 福島県
10月2日(土)・3日(日):第7戦・第8戦 奥伊吹モーターパーク 滋賀県
10月30日(土)・31日(日):第9戦・第10戦 オートポリス 大分県

2021年 藤野選手参戦車両 TOYOTA 86イメージ
松井有起夫選手
松山北斗選手
川島将貴選手
川畑真人選手
藤野秀之選手

BRIDGESTONE:中期事業計画を支えるブリヂストン流のDX「モノづくり領域」にて匠の技を伝えるシステムを開発 ~暗黙知の形式知化・定量化により、ソリューション事業を支える「断トツ商品」の安定供給に貢献~

ブリヂストンは、中期事業計画を支える同社流DXの一環として、航空機用タイヤと建設・鉱山車両用タイヤの「モノづくり領域」において、匠の技を伝えるシステムを、株式会社ノビテック※1(ノビテック)と共同開発した。

このシステムは、デジタルを活用して工場における航空機用タイヤや建設・鉱山車両用タイヤの成型作業に必要な暗黙知を形式知化・定量化し、熟練技能員の匠の技を確実かつ効率的に伝承することを可能にする。既に航空機用タイヤを生産する久留米工場、建設・鉱山車両用タイヤを生産する北九州工場に本格導入され、同社のソリューション事業を支える「断トツ商品」の安定供給に貢献している。2021年上期中には、航空機用タイヤを生産する海外工場(タイ)にも展開予定であるという。

同社は、市場・顧客情報を素早くエンジニアリングチェーンに繋ぐ市場・顧客接点のDXと共に、技術イノベーションを推進すべく素材開発~製品開発~モノづくりというエンジニアリングチェーン全体でのDXに取り組んでいる※2。これは、現場の匠達によって長年培われてきた膨大なデータや経験が支える「ゴムを極める(ゴムを見る・解く・操る)」技術などの「強いリアル」に、デジタルを融合する事で、”より大きなデータで、より早く、より容易に、より正確に”、「断トツ商品」開発、「断トツソリューション」に繋げる当社独自の取り組みであるという。

過酷な使用環境に対応するため高品質・高性能が求められる航空機用タイヤと建設・鉱山車両用タイヤは、タイヤメーカーの総合的かつ高度な技術力を反映する商品である。多くの部材で構成され、成型工程において、作業ステップ数は一般的な乗用車用タイヤの15倍以上、高度な熟練のスキルが求められる。成型作業における不具合は製品不良に直結し、安心・安全なオペレーションを支える「断トツ商品」をタイムリーに供給できなくなることにつながる。そのため、モノづくりにおける匠の技を確実に伝承していくことが、最適なグローバル供給体制の構築に向けて課題となっていた。

そこで同社は、ノビテックの協力を得てデジタルを活用した技能伝承システム※3を開発、新人技能員などの技能訓練に活用し、確実かつ効率的に熟練技能員の匠の技を伝承する仕組みを構築した。成型作業の動きをモーションカメラや慣性・圧力センサーで計測し、新人と熟練技能員の差を作業ステップ毎に可視化し評価、低評価のステップについて繰り返し訓練することで、効率的に技能を習得することができるようになった。高度な熟練のスキルがDXにより標準化されることで、高品質な「断トツ商品」を安定的に供給することが可能となる。

※1高速度現象の可視化・計測技術に強みを持つ1998年に設立された日本企業
※22020年9月15日 中長期事業戦略進捗説明会
https://www.c-hotline.net/Viewer/Default/BRID1fefd7b34cea6bf40589aee124fd17e3
※3訓練時の作業をデータ化し、作業を定量的に分析・評価することができる教育システム

DX for Bridgestone
ナイフを使ったタイヤの部材カット作業
モーションカメラで技能員の動きをモニタリング、数値化

YOKOHAMA:バイオマスからブタジエンを生成する世界初の新技術を開発・新しい人工経路と酵素で優れたブタジエン生成能を持つ細胞の創製に成功

横浜ゴムは、国立研究開発法人理化学研究所(理研)、日本ゼオンと共同で設置している「バイオモノマー生産研究チーム」の共同研究により、バイオマス(生物資源)から効率的にブタジエンを生成できる世界初の新技術を開発した。
ブタジエンは、自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴムの主原料として使用されており、現在、ナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されているが、ブタジエン生成技術を確立することにより、石油への依存度が低減でき、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素削減に貢献できるとのこと。

今回、同チームは、新しい人工経路と酵素で優れたブタジエン生成能を持つ細胞の創製に成功した。これにより、これまでの代謝経路に比べ、より安価な中間体を経ることが可能になったほか、これまで開発してきた酵素の知見を取り入れることでブタジエンの発酵生産でのコストを大幅に削減することが期待できる。これらは、ロンドンなどを拠点とし、自然科学分野の研究論文が掲載されているオンライン専用ジャーナル「Nature Communications」に4月13日午後7時(日本時間)に掲載される予定という。また、この技術によって世界初の発酵生産により生成したブタジエンを用いてブタジエンゴムを得ることにも成功した。

「バイオモノマー生産研究チーム」は、同じく合成ゴムの主原料であるイソプレンについても、2018年に世界初となる新しい人工経路の構築と高活性酵素の作成により、優れたイソプレン生成能を持つ細胞を創製。この細胞内で出発原料であるバイオマス(糖)からイソプレン生成までを一貫して行うことに成功している。

横浜ゴム、理研、日本ゼオンは、2013年から共同研究を進めている。「バイオモノマー生産研究チーム」は、2020年4月に理研内に設置され、社会実装に向けた研究を加速させるため、理研の「産業界との融合的連携研究制度」を利用している。今後、さらに高生産酵素と効率的な精製技術確立に向けて、横浜ゴム、理研と日本ゼオンの知見・技術を有機的に融合して研究を進めるとしている。

世界初の発酵生産により生成したブタジエンを用いて得たブタジエンゴム